「糖尿病」(その9)
糖尿病として診断されることに関してのポイントをお話ししましょう。
糖尿病の特徴としては、発病初期に自覚症状がみられないことがあります。そのため、早期発見
の方法として、血液中の糖分を調べる血糖値の検査が重要視されています。一般的な健康診断の
検査で糖尿病の診断に使われるのは、主に「空腹時血糖値」と「ヘモグロビンA1c」の検査です。
ヘモグロビンA1cとは、赤血球に含まれるヘモグロビンとブドウ糖が結びついたもので、過去
1~2カ月の血糖状態を把握できる検査です。前日、食事を抜いて一時的に糖が出にくいように
操作をしても1~2カ月の平均値はごまかすことが出来ないので、その意味において血糖値を測定
する有効な手段であると言えます。そして、この空腹時血糖値とヘモグロビンAleの両方が基準値
を超えた場合は、糖尿病と診断さます。また、どちらか一方だけが基準値を超えた場合は、後日
再検査を行い、再検査では、これらの検査に加えて、75グラムのブドウ糖を水に溶かして飲み、
血糖値がどのように変化するかで、糖尿病の診断をする「ブドウ糖負荷試験」や食事との関連を
考えずに測定する「随時血糖値」の検査が行われることもあります。
そして、その検査の結果、正常型、境界型、糖尿病型の3つに分けられ、この結果を参考に糖尿病
かどうかが決められます。境界型の状態でも狭心症や脳血管疾患などの合併症を起こす危険は、
正常な人に比べて高いことが分かっていて、この段階から食事や運動など生活習慣を改善すれば、
健康な状態に戻すことは可能です。それゆえ、早期に発見して生活習慣の改善を行うためには、
年に1度は検査を受けることが大切です。特に、血縁者に糖尿病の患者がいる人は、定期検査を必ず
受けることをお勧めします。
投稿者:小林(本社・事業部)