救急救命講習 受講風景レポート
旅客運送事業において安全の確保は最優先課題であります。交通事故により、人命に関わる
事態を決して起こさず、乗客のみならず、対外的にも被害者を作らない事は当然でありますが、
万一、負傷者が出た場合の対処について最低限の知識と技術を習得する事は旅客運送事業に
関わる者にとって必須であります。
今回、当社の乗務員や運行管理者が国分寺消防署において、救急車業務に長年携われた
救急救命講習のインストラクターによる講習を受講しました。
講習は
A.怪我や疾患等による体況が急変した方に遭遇した場合の初期対応の手順
B.胸骨圧迫と人口呼吸による蘇生法
C.心臓病等による心停止・呼吸停止の場合に用いるAED(除細動器)の使い方
以上の項目について、講義と実技演習の形式で進められました。
各項目の注意ポイントとしては
A.初期対応
①体況が急変した方を発見した場合、先ずは周囲の状況を確認し、二次被害に遭う事を
避け、当該者の状況を探る。
負傷者の周辺状況を確認 幅広く、周りを見渡す
②本人の耳元への呼び掛けと肩をたたいて意識の有無と呼吸の状況を確認する。
→呼び掛けの音量は徐々に大きくするが、肩をたたく力は一定を保つ
(負傷していた場合の悪化を防ぐ)
両肩をたたく 熱心に呼びかけしていました
B.胸骨圧迫と人口呼吸
【胸骨圧迫】
意識や呼吸の様子が確認できない場合、胸の真ん中を手のひら中心下部を胸骨に
合わせて両手で5cm程度押し、力を抜いて元に戻す。(手のひらを胸から離さない)
1分間に120回程度の速さでリズム良く押し上げ、下げを行う。
胸部の中心を押す 圧迫動作を繰り返し、皆さん
汗だくでした。
【人口呼吸】
顎を上げて気道を確保する。マウスピース(逆止弁式)をあて、鼻の穴を塞いで
息を吹き込む(大量に吹き込むと食道から胃に流れて胃が膨らみ、胃の内臓物が
逆流し、誤嚥性肺炎を引き起こす可能性があるので、吹き込む量を調整する)
気道の状況を解説 息を2回吹き込み
人口呼吸~胸部圧迫 疲れてくると、息を吹くのも
のパターンを繰り返す 大変な様子でした
C.AED(除細動器)
心臓が停止していた場合、もしくは心臓の停止が不明でも意識がなく、呼吸している
様子がなければ、AED(除細動器)を用いて、作動可否を機械判定にて確認。機械
の指示に従い、AED(除細動器)を発動させる。
→複数の人間が・AEDの操作・胸骨圧迫(人口呼吸)を連携して分担し、切れ目なく
動作を継続する事が肝要である。
電極パッドを貼る位置は AEDによる電気ショックが完了したら、
心臓を挟む事が重要 胸骨圧迫を再開します。
AED作業と胸部圧迫作業を分担できれば、
より効率的な救命作業が行えます。
との説明がありました。
講習の参加者は緊急事態における基本的心得と知識を熱心に聞いた後、救命処置のレクチャー
と実技では本番さながらに熱のこもった動作に奮闘していました。特にAEDは電気を扱う事から
害を及ぼす可能性が頭をよぎり、初めは控えめな動作に見えましたが、機械の指示通りに扱えば
何も問題ないと感じられたからか、ペアでのAEDと胸骨圧迫の共同作業も円滑に行えるように
なりました。
今回の救急救命講習を通して、感じられたのは先ずは緊急連絡と共に救急車が到着するまでの間、
1秒でも早く、1回でも多くの救命行為を行う事で脳へのダメージを抑えた蘇生の可能性が高くな
るとの事です。
当社は旅客運送事業者として職員全員が、運送時における乗客や事故発生時の負傷者のみならず、
一般の方々の緊急事態への対応を意識し、社会的責任を果たすべく行動していきたいと存じます。
投稿者:太田越(本社・事業部)